Chance Favors the Prepared Mind

備えあれば好機あり

MORI LOG ACADEMY 13(森博嗣)

■次に考えることは、希望を実現する手法、そして問題を解決する手法だ。どれくらいの作業になるか予想し、期間を見積もって、今日できることをまず始める。今日はできない、というようなことは滅多にない。なにかはできる。こういうふうに前進をしていくこと。できないこと、悩んでもしかたのないことで時間を取られるよりも、少なくとも建設的だし、こうして前進することで、状況が好転することがままある。
つまり、止まっていたから不可能に見えたことが、あるとき可能なものに変わることがあるのだ(それを期待してはいけないが。

 ■マラソンの選手には誰もかなわないが、 普通の人でもなんとかあの距離を走るか歩くかすることはできる。1日かけて、あるいは2日かけても良い。できないことではない。競技やテストになれば落第するかもしれないが、「私は駄目」と顔を背け、諦めてしまうほどのことはそうそうない。算数がわからないのは、最初に少し時間をかければ良かったことを自分から諦めたからではないのか。 9秒台で走れなくても、誰でも 100mを進むことはできる。|時間には関係なく、成し遂げる仕事としては同じなのだ。才能の違いなんて、その程度、つまり数秒間の差である。それよりも、「私は走れない」と諦めてスタートもしないことの方が大きな差になって表れる。